**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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誕生石

愛すべき雀狂の皆様、関係の無いぼやきが続いてすみません…
書きたくなかったのですが行きがかりで…

今日は4月29日です。
カレンダーを見るまでも無く日本国の全国民の祝日のはずです。
零細企業の当社といえども祝日くらいは休みます。土曜日だし。

しかし私は出社を余儀なくされて、今、事務所に出向いておるわけです。

通常怠惰でありながら事においては生真面目で律儀であるという性格は
かつて、その筋の方々からも友好且つ威圧的な入国ビザの発行を受けるほどアホな性格だと思えるのですが。意味不明?あなたは正常人です。

本日の出社の理由は仕事の都合ではありません!

不承の(不肖では無い)女弟子への義理ガケでございます。

個人的な義理を果たすのに、なにゆえ出社せねばならぬのか…
一部の親しい方々はご存知なのですが拙宅にはインターネットはおろか電話も接続してはおりません。
光ケーブルまで入っているのですが繋いでないということです。
携帯電話のみ使用しております。これもEメール機能は未使用です。
詳細な説明は長くなりますので今日のところはご容赦願いますが、
PCとの付き合いは最小、最低限に留めたいと思っているわけです。

そういうわけで、インターネットは平日の事務所での暇つぶしとして
他人様のブログに下手なコメントなど入れて楽しんでいたのですが
文字だけの交流でも、長く続けば情がかよいます。
何情かと問われれば、多分友情つまり一種の愛情でしょう。

本題(?)に戻りますが、ことはつい二日前のことです。
いつもの様にお気に入りのブログを漁っておりますと、なんと!
不承の女弟子が(しつこいようだが不肖では無い…筈だ…と思う)
私のコメントへのレスで、なにげに自分の誕生日をアピールしている
ではありませんか…!! 
不承の弟子というのは実は以前にメールのやりとりでおふざけで師匠と呼ばせて下さいとか言われたことがあったわけです。
西原理恵子と銀玉親方の関係なら弟子にしてお金をまきあげられるけどメル友じゃしょうがないから、丁重にお断りしたわけですよ。
不承知の弟子という意味ネ。それはどうでもいいんですが…

わたしにアピールするということは

おいッ、お祝いのコメントは4月29日にくれるんだろうな?」

と言ってるわけですよねえ。

お判りでしょうか、わたしは大切なガールフレンドの誕生日に
お祝いのコメントをUPするために休日に会社に出てまいりました。
ストイックなフェミニストのメンツに掛けて…。

敬愛するミサト様お誕生日おめでとうございます。
 ロウソクは何本立てればよいのでしょうか?  黒法師


題名の「誕生石」ですが、私は女性に「4月生まれです」と言われると
ドキリとしてしまいます。無意識にバリアーを張ってしまうようです。
銀座には4月生まれのホステスさんが多かったような気がします。
証明書の提示を求めるような無粋な遊びはできません…そっと消えます。
デーヤモンドかぁ~
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反歌釣果(ハンカチョウカ)

水が温みだすと、人はジッとしておれなくなるようです。
水と同様に人間の血潮も沸き立つのでしょう。それはわかるのですが、
水の体感温度は人によって様々なんですよね。
水はまだ冷たいと、私のセンサーは感じていたわけですが…

釣りに誘われてしまいました。誘われてしまったのです。
釣りはあまり好きではないのですよ、私は…
釣り道具も所持しておりませんが、大丈夫用意するからと
釣り船も手配したからといわれて、断りきれませんでした。

海は決して嫌いではありません。潮の香りは大好きです。
海にはたまに遊びには行きますが、すべて酒宴が目的です。
海を眺めて風呂につかり、酒と海鮮料理を堪能できるような
海に臨んだ行きつけの民宿が私には2軒ほどあるのですが…

今回は先方が予約した民宿で私には初めての宿でした。
今時、部屋に電話も無い…古い、いや歴史のある宿でした。
今度来る時は宿の手配は私にお任せ下さいとお願いしました。
今朝、窓を開けると目の前にカモメが…アホウ鳥かも知れません。

民宿の二階の窓から
kamome         kamomeup
朝日も出ない曇り空の夜明け  ⇒UPカモメさんだと思うけど
こんな日に舟を出してもねぇ     脅しても逃げない太いヤツ

umi1          tetora
夜も白々と明けそめて      帰りは全員こんな具合でした
いざ船酔いに出陣!!万歳なのか弱ってるのかはご想像に…
                     手前で朽ち果てているのが私です。

親愛なる○○○社長様 熱いのは血圧のせいではと案じております。
私にはまだ海の遊びは寒すぎます。お願いです。誘わないで下さい。

テーマ:雑記 - ジャンル:ギャンブル

悪魔のシステム(2)レッド・ドラゴン


tyunm.gif業界顧問レッド・ドラゴンtyunm.gif
ハンニバル・レクター博士への独房いや、独占インタビュー

悪魔のシステムによる羊たちの境遇をどう思われますか?

悪魔のシステムなどと勝手なことを言って、我々をまるで吸血鬼や食人鬼のごとき悪徳経営者のように非難するが、それは筋違いというものだ。
いまの雀荘のシステムができたのは、元はといえばメンバーの希望というか要望というか、そういうものがあったから成立したわけで、我々経営者が一方的に強要したとかいうものでは無いのだ。

羊たちが自ら生贄になることを望んだというのですか?

さよう、自らの意志で鮮血を捧げるから我々はそれを容認したということだ。

容認って…?なにを…?どういうことですか?

君は麻雀をするのかね?

はい、大好きです。出来れば毎日でもやりたいのですが、女房がうるさくて…
いえ、時間はいいんです。亭主元気で留守が良いなんてずけずけ言うような女ですから、暇はあるんですが、なにしろ薄給で小遣いが少ないもので…


麻雀は小遣いが、つまり遊ぶ金が有るなら毎日、何時間でもやりたいと…

ええ、僕はこうみえて雀歴は結構長いんですよ。自分では下手だとは思わないんですが、なかなか勝てません…スロー・スターターなんですよ。エンジンがかかる前にサイフがパンクすることが多いんです。お金さえ続くなら絶対負けない自信があるんですが

それが答えだよ。羊たちの沈黙…も破られた。惨劇の幕開けだ。

はあ?

卓上で傷付いた羊たちは自らの足で刑場に向かうことを切望した。
「抜けたく無いです 自前でいいですから、打たせて下さい」
その要求を、我々が拒絶する必要がどこにあるというのかね?
我々はイエスのごとく慈悲深くその願いを聞き入れた。
それだけのことだ…
それが現在のメンバー制度のバイブルとなっているわけだ。

屁理屈では無いと思います。なにしろあのレクター博士ですから。


テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

悪魔のシステム

「悪魔のシステム」にハマってみませんか?

現在、フリー雀荘の従業員の勤務時間は12時間の二交代制、休日は週に一回というのが相場だと思われます。
基本給は、店の営業形態に因って様々でしょうが、従業員がゲームに参加する場合はゲーム代も勝負金も自己負担とされるのが一般的でしょうから、その還元分を考慮、加算した金額が設定されているでしょう。

一見高額の給料に思えますが、これはゲームに参加した場合は最低でもゲーム代分は勝たないと、基本給さえ貰えないということです。
給料以上に負けが込めばアウト・オーバーとして店への借金となってしまいます。仕事をして借金を背負うということです。
これが奴隷制、蛸足制度、悪魔のシステム等といわれる所以です。

この制度が出来る以前は、雀荘の仕事を手伝いながら客の代走や店の代打ちまでこなす従業員は「雀ボーイ」と呼ばれていたようです。
彼らはあくまで店の従業員ということで、ゲームに加わる場合は、店主や客の要請による代打ちであり、場代や勝負の清算金は依頼者との契約で分担するのがきまりでした。助かりが有ったわけです。
私がブー麻雀の店に通い始めた頃もメンバーの場代や負け金は店側も何割かは負担していたと記憶しています。

この従業員による代打ち制度が崩れだし、現在のメンバー制度が定着し始めたのは、1970年代前半、第二次麻雀ブームの最盛期から下降期にかけての頃からだと思います。
麻雀ブームが頂点に達し、市井の麻雀荘の数も増え続け飽和状態になってしまった時期です。
特にブー麻雀の衰退によるリーチ麻雀への移行は大きな要因です。
ブー麻雀は3年でビルが建つと言われるほど場代の収益率が高い麻雀でした。実際、歌舞伎町には麻雀屋でビルを建てたといわれる経営者が沢山いるのです。
リーチ麻雀への移行は場代収益の低下となり経営の悪化につながりました。
加えてメンバーの負け金が店の売り上げを上回るような状況も出現してきたのです。
ブー麻雀では半荘で一定の金額しか出ませんから場代の収益で、ある程度補える計算ができたのですが、リーチ麻雀では金額が特定できません。場代の何倍もの支払いも決して稀では無いわけです。

苦しくなった経営者はメンバーに自己責任を負わせようという手段にでたわけです。従業員も客にすればよいと…
従業員から場代をとり、負け金は給料から天引きすれば良いではないか。

悪魔のシステムの誕生です。

1日12時間の労働で、給料日に請求書を渡されるかも知れない仕事…
 ん? どうよ、これ…なんか魅惑的な世界では…

勝てば仕事を失い、負ければ生活を失う…

ゼロ・サムのギャンブルをシノギにするということは、そういうことです。

注・ギャル雀の店のシステムは存じ上げません。悪しからず。

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一応…牌画なぞ

一応タイトルに「麻雀…」なんて入れちまったもンで、
牌画なんぞを借りてきました。無料無断で…挨拶せねばなんねナ


牌画は昔々、ワープロの外字作成で作ったことがあるんですw


初期のポータブル・ワープロ(書院)は液晶画面が小さくて、文字の


画素数も少ないのでドットを一個々潰しながら時間かけて…


「一索」が一番むずかしかったな。


西原理恵子のヒヨコの絵みたいになっちまったっけ。(^◇^)


彼女がまだ小学生の頃でしょうから、土佐と新宿で同じような


トットの絵を描いていたにちがいない…なんか楽しい気分。


わたし西原画伯の麻雀ギャグ漫画が大好きですから。


ワープロの牌画は雀荘で結構重宝されてました。


 


あと、歌舞伎町周辺のフリー雀荘のゲームの集計表ね。


トップとラスの席の枡をマーカーで塗り潰せる形式の原型は


アタシが作りました。皆さんコピーしてあっというまにメジャーに


なりましたが、あれはお金の流れを把握するために作成したんです。


客のふところ具合の計算とメンバーのギリ金防止のために…


 


ほんでもって、早速…今日の配牌。


hakum.gifhatum.gifpeim.giftonm.gifsou1m.gifsou6m.gifsou9m.gifpin1m.gifpin2m.gifpin7m.gifman1m.gifman2m.gifman9m.gif

 …流します!

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歌舞伎町の狐(3)

『麻雀はイメージ戦争である。(中略)
イメージと実体が重なり合っているときはいいが、
ちがうイメージを抱いている場合、丹念であればあるほど、
マイナスの方向に力を使っていくことになる』
          阿佐田 哲也 麻雀即席カウンセラーより


歌舞伎町の狐(3)

メンバーの鳴きによってリーチの一発役は消え、自摸山も変わった。
西家と北家の顔に安堵の色が浮かぶ。
ふたりとも聴牌の気配も仕掛ける様子も無く、安全牌を物色しだした。
その様子を見て、私の予想は確信にかわる。

男の狙いは下家の山の端牌では無い。
本当に必要なのは、いま下家の鳴きで自分が自摸ることになった牌、
西家の前に残っている最後の一枚なのだ。対面の山の端牌なのだと。
そしてその牌は山積みの終盤で男がチラシた牌に違いないと確信した。

ここでいうチラシとは
洗牌時に牌をかきまぜながら積み込む技のことだが
予め牌を掌中に確保して積み込むオサエよりも技術を要する技である。
手積みの卓では相手の洗牌動作と山積の技術を見れば、
その相手の麻雀打ちとしての技量もおよその察しがつく。
山積の遅い強者などに、私は出会ったことが無い。
男のそれは紛れもなく達人の域に達していた。

チラシの巧者になると他人の山にも意図した牌を送り込むことが可能になる。
コンビ打ちで仲間の掌中に牌をチラシてやるわけだが、オヒキと呼ばれる相棒は
自然な動作で山を積む。それだけで「元禄千鳥」くらいは完成してしまうのだ。
当然、敵の掌中にチラスことも可能なわけだが、これは積み込みではなく
チラシた牌が相手の山の何処に積まれたかを覚えておくということだ。
だが、他人の山でも牌の置き場を確定させる方法はある。

男は対面が山積のセットを完成させる直前に、対面の左手元にその牌をチラシたに違いないのだ。
できれば上山に積んで欲しかったろうが、牌は対面の下山の端に眠った。

それが今、男の策によって自摸牌になる…。策である…。

私が思わず声を発てたのは、似たような場面を何度も体験していたからだ。
ドラ関連の好牌や鳴きどころの急所牌でのリーチにポン・チーで仕掛けると
必ず自摸られてしまう。
ラストの予告発言は男の周到な読みによって仕掛けられた罠なのだ。
鳴かせるため、自摸順をかえるための…

私には前回、男がトップを取った和了の状況が想像できた。
リーチをかけての一発自摸だったはずだ。
それも、強烈な印象を与えるようなマチでの一発自摸和了…
まだ消えないそのイメージが敵を惑わせ墓穴を掘らせる。

麻雀は心理戦であり、イメージ戦争なのだ。

 

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歌舞伎町の狐(2)

ブー麻雀の用語に「チンマイ」という言葉がある。
小さいという意味の「ちんまり」が変化した言葉で、関西弁と思われるが「沈埋」からという説も有り、語源はさだかではない。
3人が原点以上での終局、つまり一人沈みでゲームが終了することをそのように呼ぶのである。チマチマした和了の意か。
2人沈みを「2コロ」と言い(関西ではマルB)
3人を沈めて上がれば「3コロ」(マルA)となる。

ブー麻雀の精算は定額シフト制であり、チンマイと2コロ、3コロでは支払い額が異なる。
5-10-20のような倍々設定が一般的だったが
チンマイでは勝金から場代を払うと幾らも残らない。
チンマイでの支払いはゲーム代と同額という店もあった。
店側にしてみれば、短時間で一回分のゲーム代が入るチンマイは歓迎していた筈だが、そのあまりの場代の出費の速さにチンマイ和了は客の不評を買うようになった。関東では次第にオーラス(南四局)以外のチンマイは禁止されるようになったのである。
この「チンマイ禁止」というルールが、ブー麻雀をより複雑で奥の深いゲームに進化させたのであるが、それはまた別の機会に置くとして…

この頃はまだ、そのチンマイも認められていたと記憶する。


歌舞伎町の狐(2)

下家のメンバーは既に牌山に手を掛けようとしていた。
その手が空中に浮いたまま泳いでいる。
自分の山の右端の牌、ラストを予告した男の自摸となるその牌がどんな牌だったのかを思い出そうとしているのだろう。
真後ろにいる私からは表情が見えないが、眉間に皺を寄せて考えているに違いない。
だが、その憶測は外れた。考えてみれば間抜けな思い違いだった。
たとえオール伏せ牌での洗牌を慣行していようとも、手積の卓で自分の山の端牌が分からないようでは、歌舞伎町のフリー雀荘のメンバーは勤まらない。
そのメンバーが逡巡していたのは別のことだった。
「チー」
メンバーが呻くような声でリーチ牌に鳴きを入れた。
晒した牌を見ると手牌の順子を崩しての無理鳴きだった。
一発を消して、男の自摸をずらす策に出たのだ。
瞬間、私は「あっ」と小声で叫んでいた。
すべてが氷解した。
私の耳には、男がまもなく発するであろうセリフが…
「ツモ、ダブ3、ラスト…」という      *ダブ3=2連勝3コロ
何事も無かったかのような終局宣言の声が聞こえていた。





その男、後に雀鬼と呼ばれることになる裏技の達人との出会いの時期を、私は正確な記憶として記述することは出来ない。
麻雀狂いの友人に手を引かれながら、歌舞伎町のフリーの雀荘に出入りすることを覚えたのが二十歳前、生意気盛りの青二才だったが、ふと気がつけば常連と呼ばれるほどに通いつめていた。
その時分から雀荘内で言葉を交わすようになったのは間違いないのだが、「ポン」「チー」「ロン」の会話から知人としての会話への移行時期は特定出来ない。
雀荘以外では小田急線の電車内や歌舞伎町の喫茶店での歓談、代々木辺りのボーリング場で仲間と一緒にゲームに興じた記憶も残ってはいるのだが…
その後私は東京を離れ、歌舞伎町とも麻雀とも縁が切れる。
一年後、再び歌舞伎町に舞い戻ったのは、約束されたはずの夢への階段が音を発てて崩れてしまったからだった。
そしてドロップ・アウト…
不夜城の眩いネオンの光芒が創り出す闇にまぎれて、
けもの道への入り口が魅惑的な口をあけて待っていた。

テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

歌舞伎町の狐(1)

『麻雀とは運10のゲームである。そしていつも
 相手を8にし、自分が12になるように打つのである』
         阿佐田哲也「Aクラス麻雀」より

競技麻雀?運が頼りの競技なんぞあるものか
それは遊びの世界で博打って言うんだよ
麻雀は初端からギャンブルだろうが
そこに「道」なんてものが在るというなら
そりゃ「道楽」という道だろうよ
道楽三昧で食えるなら苦労はねえさ
運まかせの勝負で生きて行けるのかい
世の中そんなに甘かねえんだよ


歌舞伎町の狐(1)

回想は三十数年前、1970年代に遡る。
学生運動の波が全国の大学を席捲し、
デモ隊による火炎瓶や投石の嵐が
吹き荒れていた時代である。

場所は新宿歌舞伎町…。
まだ靖国通りに都電の石畳の軌道が残っていたと記憶する。
当時の歌舞伎町中央通りは軒並み麻雀荘の看板で埋め尽くされていた。
すべて流行のブー麻雀を主体としたフリーの雀荘である。

舞台は、その中央通りの老舗雀荘「紳士倶楽部」の店内。

その男は、いつものように仕立ての良いスーツ姿で卓に着いていた。
ショートピースを咥え愛用のダンヒルライターで火を着けながら
下家の背後に立った私を見て、僅かに頷いてみせた。
『ああ…お前か…』といった意味の無言の挨拶だ。
私も黙って頷き、目礼を返す。
フリーの雀荘では、何度も顔を合わせていながら、職業はおろか名前さえ知らないままの交友関係がごく自然に成立する。
敵としての一線と戦友としての心情が交差する、
麻雀打ちならではの特異な友誼だ。

その卓は、まだ東の一局、ゲームは始まったばかりだった。
卓上、男の右コーナーには、起家マークと一緒に(W)のマークが置かれていた。これは、『ダブ権』と呼ばれ、連勝すると報酬が2倍になるという、当時の『ブー麻雀』の雀荘で採用されていたルールである。
つまり、男が前回のトップ者である証なのだ。

数順後、男は捨て牌を横にして「リーチ」と発声した。
そしてリーチ棒を差し出しながら私を見上げ
「次の自摸で、ラストだから…」と、事も無げに言い切った。
「……?!」
ラストとはゲームの完了、清算の意味である。
私が下家の後ろに立ったのは、下家が店のメンバーだったからだ。
ゲームが終了すれば、私は下家のメンバーと交代して参加できる。
つまり、男は
『一巡後に自分が自摸和了してゲームが終了するから、
 お前はすぐに参加できるぞ』という意味の発言をしたのである。
繰り返す、東場の一局、まだゲームは始まったばかりなのだ。

ここで、ブー麻雀を知らない方の為に、若干の説明が必要かと思う。
ブー麻雀は別名オトシ麻雀とも呼ばれ発祥地は大阪とされている。
基本ルールは現在の裏ドラ無しの競技麻雀に近いものであるが、
アルシーアル計算であり、清算のルールはまったく異なる。
配給点は満貫分で、(四千点から六千点、八千点へと変移した)
誰かの持ち点が倍になるか箱点になった時点でゲームは終了し、
その終了時に持ち点が配給原点未満の者は全員敗者となる。
詳細なルールの説明は省くが、勝負が早いのが特徴である。
東場の一局で満貫を自摸ればその時点で終了、清算となる。

男の発した不気味な宣言によって、場は一瞬にして凍りつき、
緊張と疑惑の視線が飛び交った。
立ち見の私も、まさかの心境で、卓上の成り行きを見守った。
配牌の取り出しは男の山からだった。
二度振りで5の5の取り出しで開始されている。
自摸山は…男の対面の山から、下家の山に移ろうとしていた。

男には次の自摸となる下家の山の牌が見えているというのか…?
それとも…

テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

何時に無く

ブログを始める日を阿佐田哲也の命日に拘った為
サイトの事前作業もせずにとりあえず立ち上げましたが
今週に入ってから仕事に追われて多忙な日が続いています。
遊んでいるような仕事ですが、付き合いに時間をとられます。

ゆっくりPCに向かう暇が無い…ですが、近日中に
雀鬼流のあの方…にまつわる記事をUPするつもりです。


放浪終焉の地

今日…4月10日は何の日か?  
有名人の誕生日…?確かに今日が誕生日の有名人は結構多いようです。
永六輔、水島新司、村松友視、木村佳乃にゴッドねえちゃん和田あき子までみなさん4月10日の生まれだそうです。
が、いずれも私がプレゼントを用意するような方々ではありません。
知ったことか…でございます。

本題の麻雀界の話です。
マニアックでご存知の方も居られましょうが、
実は、今日は麻雀界の忌日なのでございます。
私の人生に良きにしろ悪しきにしろ、多大な影響を与えた人物
雀聖「阿佐田哲也の命日」なのです。
彼が故郷(東京)から数百キロも離れた東北の地で、
60年の放浪の人生に幕を引いた日…
岩手県一関市の転居間も無い自宅で斃れ、隣の宮城県瀬峰町の病院で息を引取った、まさにその日なのです。

今では新装成って名前も変わり、17年前の患者の詳細を知る人とていない病院でしたが、
戦後麻雀界の巨星は、流転の果てに確かにこの田舎の病院で他界したのです。

semine1

田園の中の旧瀬峰病院遠景

semine2

東北本線瀬峰駅より病院を望む

semine3

阿佐田哲也終焉の地旧瀬峰病院全景…黙祷…

テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

プロフィール

amou0

Author:amou0
H.N: 天羽 礼
年齢:知ってどうする?
職業:まとも、だから退屈で
   遊んでるようなもの
BT:AB型の二乗
生息地:深山幽谷&ネオン街
近況:迎えをまっている。
   出来れば天国から
   シースルーの羽衣の
   天女さまを希望…

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