**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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金色夜叉(5)

ダブリーの宣言牌は③筒だった。

山に手をかけていたタケさんがツモ牌を盲牌しながら引き寄せる。
首を傾げながら上家を睨み、手牌から北を抜き出した。
それを自河の第一打の⑧筒の隣に切り捨てた。

pin8m.gifpeim.gif

その北を見て、メンバーの口元が微かに綻んだ――
タケさんも気付いたようだが…。


1索から切り出していた私の手は

man1m.gifman2m.gifman3m.gifpin2m.gifpin5m.gifpin7m.gifsou4m.gifsou8m.gifsou8m.gifsou9m.giftonm.gifhatum.gifnanm.gif

一二三②⑤⑦4889東發南

およそこんな感じで、
一面子が出来ているだけの仕掛けようもない手だった。

ここに9索を引いてきて、②筒を切り出す。

     pin2m.gif
man1m.gifman2m.gifman3m.gif  pin5m.gifpin7m.gifsou4m.gifsou8m.gifsou8m.gifsou9m.giftonm.gifhatum.gifnanm.gif  ツモ9索sou9m.gif

対面のダブリーの③筒選択がストレートだったからだ。
③筒絡みのソバ聴は薄いと判断した。
何が当たっても仕方がないが、一発は避けたい。
字牌を切らなかったのは北に対する反応の違和感だった。
あの微笑…安堵の表情はなんなのか…?
対面が自分の待ちを良い待ちだと思っているのは確かだ。
それが両面や多面張といった数への期待ではなく、
序盤で出易く和了り易い待ちだと思っているとしたら、
字牌のバッタや単騎の可能性も高いのだ。

私の②筒に対しては自分の手牌に目を落として、
改めて確認するような素振りをして見せた。
一目瞭然、ブラフなのは判った。筒子の下は無い。

私の下家は南を切ってきた。
が、対面の顔にはもう北の時のような影は現れなかった。
対面は一発目のツモ牌を軽く盲牌して、静かに河に落とした。

③筒の隣に並んだ牌は7索だった。

y3pinsou7m.gif

その7索にタケさんが反応した――。
牌山に伸ばした手を宙に浮かせたまま、
目線だけがせわしく動く。
眉間に皺を寄せて7索と手牌を交互に睨んでいる。

……鳴くつもりなのか?

タケさんは王牌のドラ表示牌の六萬に目を移し、
数秒の間をおいて自摸山に指をかけた。
ツモった牌を手牌の右端に付けると、
その列の中央から7索を抜き出して、北の横に打ち揃えた。
pin8m.gifpeim.gif sou7m.gif

タケさんの手牌は7索が鳴ける形だったわけだ――
だが、鳴かずに手の中から同じ牌を打ち出した。
なぜ――?
逡巡の一打に私の麻雀脳が反応する。
解析回路は既にオーバー・ヒートぎみだったが、
それでも瞬時に答えを弾き出した。

この状況で親のタケさんが降りるわけはないのだ――
タケさんならノミ手でも一直線に和了を目指す。
ならば、なぜ7索を鳴かなかったのか――
理由は一つ、鳴く必要がなかったからだ。
そして、同じ7索を切り出してきたということは――

7索をもう一枚持っている――
そう、対子でなければおかしいのだ。
だが、孤立した対子ならポンして手を進めるはずだ。
つまり7索を鳴いても手が進まないような組み合わせ…
向聴数が減らず、愚形が残るような順子含みの構成だ。
多分、6778索か7789索の形だろう。

sou6m.gifsou7m.gifsou7m.gifsou8m.gif      sou7m.gifsou7m.gifsou8m.gifsou9m.gif

この形から一枚を捨ててきた――
それ以外なら鳴けるはず…いや、鳴くはずだ。
つまり鳴かないのは…他で面子が足りているからだろう。

いずれにしても、タケさんの手は決して悪い手では無い。
配牌で二向聴前後の手が入っているに違いない。
そしてそれは手作りによってはかなりの役を狙える手――
役の特定はできないが、索子の染め手が有力だろう。
字牌の北を残して、先に⑧筒から切り出している。
そして7索への反応からだ。
だとすれば手牌には索子の面子が二面子以上あるに違いない。
字牌の役牌も対子か暗刻で二種類位はあるかもしれない。

役牌と、そして萬子のドラ絡みの牌を何枚か持っている。
タケさんは初めに企図した手役を捨てて萬子を残し、
手成りの速攻勝負に切り替えた…。

タケさんの技量、性状、打ち筋を考慮の上で推理すれば、
私のパターン認識からは、そういう読みが立ってくるのだ。

麻雀の原理は絵合せだ。
与えられた絵柄から規定の組み合せを完成させる。
その速さと、完成形の評価点を競い合うゲームだ。
原理としてはそれ以上でも以下でもない。

絵合せは牌の巡り合わせによって支配されている。
ゲームは牌の所在を隠すことで成立する。

伏せられた山の牌、次のツモを当てるのは預言者の業だ。
見えないものを見ようとするのは無意味な期待でしかない。
私が知る限り、麻雀の達者の技に期待などはない。
達者は見えるもの、感性に触れるものにのみ反応する。
直感を含め、なぜ?どうして?の違和感には、
鋭敏なセンサーが働くのだ。
そこで人間性と状況を踏まえた納得のゆくパターンを弾き出す。
その己のイメージとゲームの展開、結果が合っていれば、
場が見えている、勘が冴えているという判断ができる。
そこで始めて残りの見えない部分への洞察も可能になる。
それが対人ゲームの醍醐味なのだ。


私はこの時点で守戦に打って出ることにしたのだ――が。
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   遊んでるようなもの
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