**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

2007.12 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2008.02


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メンバー百景(1-M)

私の顰めっ面を見て吉田が訝る。
「どうしたんですか?」
私は卓に向って顎をしゃくった。
「見ろよ…」
「……?」
「河さんがダンマリだよ…」
「……あ!」
吉田も気付いたようだ。
河内の癖は私よりも吉田の方が熟知している。
河内が黙り込むのは捨て牌に仕掛けがある場合だ。
普段の調子でペラペラ喋っていると三味線になりかねない。
『マスターは代走だろぅ。振るなよぉッ…』の一言も、
いつもの調子で思わず発してしまったのだろうが、
仕掛けがあれば降り打ちを誘った問題発言だろう。
三味線になりかねないから慌てて口をつぐんだ――。
三味線まがいの軽口で何度もトラブルを起こしているから、
変則待ちの場合は慎重に言葉を選ぶようになるのだ。
河内がリーチをかけて無口になったら…。
――捨て牌の筋が危ない…。

河内のリーチは降り打ちを狙っている可能性が高いのだ。
腰の弱い客や代走のメンバー相手に仕掛ける陰険な罠だ。

代走の仕事は危険を犯してまで和了を拾うことではない。
先手を取られたら無理をせずに降りに回るのが常識だ。
河内の仕掛けは、そんな代走の心得を逆手に取る狡猾な打法だ。
ピンフーの両面待ちにできるような聴牌形でも、筋が掛かれば、
飜数を落としてまでカンチャンやバッタに受けることも多い。
ベタ降りの者が筋を頼りに罠に嵌って放銃すると、
それだけで、してやったりと小躍りして喜ぶ。
そして独り善がりの解説まで始めるから顰蹙をかう。

騙しの戦法を攻防の手段として活用するのは良しとしても、
必然性の無い仕掛けはマスターベーションでしかないだろう。
それは麻雀の技量――強さや上手さとは無縁の技だ。
ゲームの興を削ぐだけで、スカート捲りの児戯にも等しい。

東の一局の作為の待ちが納得できる聴牌形なら良いが…。
代走として降りに回ったオーナーが猿の罠に飛び込んで、
マスターベーションの餌食になる可能性が高かった。

――任せた以上、仕様がない…
吉田と一緒に猿の嬌声を聞く覚悟をするしかなかった。

そして数巡後――卓上で「ロン!」の声があがった。


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Author:amou0
H.N: 天羽 礼
年齢:知ってどうする?
職業:まとも、だから退屈で
   遊んでるようなもの
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生息地:深山幽谷&ネオン街
近況:迎えをまっている。
   出来れば天国から
   シースルーの羽衣の
   天女さまを希望…

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