**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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歌舞伎町の狐(1)

『麻雀とは運10のゲームである。そしていつも
 相手を8にし、自分が12になるように打つのである』
         阿佐田哲也「Aクラス麻雀」より

競技麻雀?運が頼りの競技なんぞあるものか
それは遊びの世界で博打って言うんだよ
麻雀は初端からギャンブルだろうが
そこに「道」なんてものが在るというなら
そりゃ「道楽」という道だろうよ
道楽三昧で食えるなら苦労はねえさ
運まかせの勝負で生きて行けるのかい
世の中そんなに甘かねえんだよ


歌舞伎町の狐(1)

回想は三十数年前、1970年代に遡る。
学生運動の波が全国の大学を席捲し、
デモ隊による火炎瓶や投石の嵐が
吹き荒れていた時代である。

場所は新宿歌舞伎町…。
まだ靖国通りに都電の石畳の軌道が残っていたと記憶する。
当時の歌舞伎町中央通りは軒並み麻雀荘の看板で埋め尽くされていた。
すべて流行のブー麻雀を主体としたフリーの雀荘である。

舞台は、その中央通りの老舗雀荘「紳士倶楽部」の店内。

その男は、いつものように仕立ての良いスーツ姿で卓に着いていた。
ショートピースを咥え愛用のダンヒルライターで火を着けながら
下家の背後に立った私を見て、僅かに頷いてみせた。
『ああ…お前か…』といった意味の無言の挨拶だ。
私も黙って頷き、目礼を返す。
フリーの雀荘では、何度も顔を合わせていながら、職業はおろか名前さえ知らないままの交友関係がごく自然に成立する。
敵としての一線と戦友としての心情が交差する、
麻雀打ちならではの特異な友誼だ。

その卓は、まだ東の一局、ゲームは始まったばかりだった。
卓上、男の右コーナーには、起家マークと一緒に(W)のマークが置かれていた。これは、『ダブ権』と呼ばれ、連勝すると報酬が2倍になるという、当時の『ブー麻雀』の雀荘で採用されていたルールである。
つまり、男が前回のトップ者である証なのだ。

数順後、男は捨て牌を横にして「リーチ」と発声した。
そしてリーチ棒を差し出しながら私を見上げ
「次の自摸で、ラストだから…」と、事も無げに言い切った。
「……?!」
ラストとはゲームの完了、清算の意味である。
私が下家の後ろに立ったのは、下家が店のメンバーだったからだ。
ゲームが終了すれば、私は下家のメンバーと交代して参加できる。
つまり、男は
『一巡後に自分が自摸和了してゲームが終了するから、
 お前はすぐに参加できるぞ』という意味の発言をしたのである。
繰り返す、東場の一局、まだゲームは始まったばかりなのだ。

ここで、ブー麻雀を知らない方の為に、若干の説明が必要かと思う。
ブー麻雀は別名オトシ麻雀とも呼ばれ発祥地は大阪とされている。
基本ルールは現在の裏ドラ無しの競技麻雀に近いものであるが、
アルシーアル計算であり、清算のルールはまったく異なる。
配給点は満貫分で、(四千点から六千点、八千点へと変移した)
誰かの持ち点が倍になるか箱点になった時点でゲームは終了し、
その終了時に持ち点が配給原点未満の者は全員敗者となる。
詳細なルールの説明は省くが、勝負が早いのが特徴である。
東場の一局で満貫を自摸ればその時点で終了、清算となる。

男の発した不気味な宣言によって、場は一瞬にして凍りつき、
緊張と疑惑の視線が飛び交った。
立ち見の私も、まさかの心境で、卓上の成り行きを見守った。
配牌の取り出しは男の山からだった。
二度振りで5の5の取り出しで開始されている。
自摸山は…男の対面の山から、下家の山に移ろうとしていた。

男には次の自摸となる下家の山の牌が見えているというのか…?
それとも…
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テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

コメント

ブー麻雀

麻雀の総合力を測るのには一番適したルールかもしれませんね。

かつての手積みの時代に生きていたら、僕は・・・どっちに行ったかなぁ。麻雀から離れたか、のめりこんだか・・・。

omoteura様

総合力はご指摘の通りだと思います。
ブー麻雀は手牌の和了形と捨て牌の狙いが重要な要素になります。
見逃しは当然であり、自摸に賭けることも狙い打つことも
損害を少なくするために狙って振り込むことも必要な麻雀です。
下手な和了は墓穴を掘るだけですから、意味が無いのです。
常に場の全体の状況に会うような手作り打牌が要求されます。
桜井(章一)さんの言う「流れ」の源泉がここにあるのです。
ダブ権の連勝を他の3人が全員で阻止する…という思考
しかし、技量のある強者相手にその勢いを挫くのは難しいのです。
聴牌速度や聴牌形のみに執着するような手合なら失策も期待できますが
場況や和了形や牌の生き死にの判断で打ってくるような相手は
簡単には態勢を崩しません。
他者への犠牲打や鳴き崩しなど場を撹乱し変動する手段が必要です。
和了の為ではなく、和了を阻止する為の打牌が肝要になるわけです。

麻雀においてこの打法が重要な意味を持つという単純で明快な答えを
いつか記事にしたいと思っています。

はじめまして

はじめまして。
omoteuraさんの所からやってきました。
ただの麻雀好きのおっさんです。

ブー麻雀自体は一応おおざっぱなルールは知っているのですが。
いくつかお聞きしてもよろしいでしょうか。

1,リーチ棒は1000点なのでしょうか。
2,ドラや裏ドラはあるのでしょうか。
3,満貫以上の跳満や倍満はあるのでしょうか。
  それとも全部満貫で打ち切りとか、役満は別とかであるのでしょうか。

もしよろしかったら教えて頂ければ幸いです。

Dr.I 様

コメントありがとうございます。留守にしていて済みませんでした。
私のブログは怠惰に無節操に書くつもりでおりますが
お客様は大切に致したいと思っております。
コメントには必ず応答いたします。

>1,リーチ棒は1000点なのでしょうか。
   当時は100点棒でした。
   たとえ100点でも原点を割れば敗者になりますから
   持ち点原点からのリーチは非常に危険なわけです。
   リーチなしでも出たら満貫以下で自摸れば満貫という
   聴牌が理想形になります。(一人飛ばしが禁止なので)

>2,ドラや裏ドラはあるのでしょうか。
   表ドラはありますが裏ドラはありません。
   満貫以下の手が裏ドラで満貫になっては困るのです。

>3,満貫以上の跳満や倍満はあるのでしょうか。
  それとも全部満貫で打ち切りとか、役満は別とかであるのでしょうか。
  あります。跳満も倍満もその分の支払いを済ませて
  まだ浮いてるか沈んでしまうか計算するわけです。
  役満には祝儀がありました。支払い方は様々でしたが
  役満のみ一人飛ばしが許されていた店もありました。
  振込み者は3人分の祝儀を払うとか…様々でした。

こんなものでよろしいでしょうか?
なにしろ、私の二十歳前からの記憶データですから
脳内シナプスもレセプターも正常に機能している保証はありません。
異常と感じられましたら、問診にて診断を受ける覚悟はあります…(-_-;)

はじめまして

私もomoteuraさんのブログからやってきました。
リンクの件、ありがとうございました。
阿佐田哲也、良いですよね。高校のときかな、片っ端から読んだ記憶があります。その出会いが無ければ、自分と違う価値観を持つ人間への理解ができなかったような気がします。(今でも、それほどできる訳ではありませんが。)
今後ともよろしくお願いします。

はじめまして

私もオモテウラさんのブログから来ました、
麻雀ブログ「勝ち組の麻雀 麻雀日記」の
管理人、理想雀士といいます。

うー、続きが気になりますね。
ブー麻雀は実際にやったことないです。
桜井氏の本などで読んだ事はあるので、
大体のルールは分かるのですが、
中部ではあまり流行らなかったのでしょうか?

蒐穂というのがどういう意味か教えていただきたいのですが。
グーグルなどで調べましたが、いまいち意味が分かりませんでした。

あと、勝手ながらリンクさせていただきました。
よろしければ相互リンクをお願いします。


トンキチ様

HNの意味は東吉(luckyーeast)でしょうか?
出親が好きとか東家で運が良いとか…(^。^)

私は阿佐田哲也は精神の放浪者だと思っています。
青少年期に誰もが抱く社会的拘束への反抗と現実逃避の実践者
その哀愁のような作品が若者の感性を刺激するのだと思います。
麻雀の場面は映画のタチマワリのようなものでしょう。
格闘場面や銃撃戦は山場として、重要な要素ですが…

理想雀士さま

怠惰で険悪、無節操なブログへようこそおいで下さいました。
記事は気紛れの産物ですので、遅筆はご容赦を…(-_-;)

ブー麻雀は戦略的実戦麻雀です。ルールは単純ですよ。
ブーの戦略とは一局を和了る為の策では無く、結局で勝つ為の戦略です。
手錠を掛けてリングに上るところから始まりますが、
いつかその醍醐味を記事にできればと思っております。

「蒐穂録」は造語です。イメージはミレーの絵画「落穂拾い」から。
拾穂でも集穂でも收穂でも良かったのですが、字ズラで決めました。
落穂のような過去の記憶をパラパラと拾い集めてみようかと
阿佐田哲也の命日の数日前に突然思い立ったわけです…
気まぐれから始めたブログですから、ご理解下さい。

あ、ご存知無いかも知れませんが、
メル友の間では「しうほろく」は後ろから読まれます。

はじめまして

偉そうなヨタ話ブログを書いている子皮と申します。

あまり深く麻雀を知らない若造ですが、以後よろしくお願いします。

子皮さま

御丁寧な御挨拶おそれいります。
以前に晏平沖さんのブログを訪問したことがあるのですが
あまりに偉そうな与太話だったので魔除札を貼って封印した記憶があります。
それは冗談ですが、年に数度の大博打で生活しているとか…危険地帯なので

わたし的には…麻雀は深く知る必要も意味も無いと思いますよ
遊びの世界に現を抜かすのは、嵌るということでしょうから
泥溝でも手錠でもジーンズのジッパーでも嵌ると痛いだけです。

ハマって好いのは…えーと、R指定ひとつしか浮かばない…(^_^;)

何に対しても深く嵌まれない私のような男には嵌まれる人が羨ましく感じられます。

ジッパーにハマる(挟まる)のは絶対に遠慮させて頂きますが(笑)

子皮さま

失礼いたしました。
嵌るのが罠やツボではありきたりで痛くもなさそうなので
痛テー!の感じを並べてしまいましたが、手錠もハマルという表現は無いですね。
まあ、何かに囚われて、痛てぇ~!ということで。

人間には嵌りやすい体質と嵌りにくい体質があるようです。体質です。
俗に脳内麻薬と呼ばれるようなストレス開放物質に対する
脳自身の抵抗力、浄化抑制機能の強弱だと思うのですが…

私の場合、ハマリそうだと思うと無意識にブレーキがかかってしまいます。
ブレーキをかけながら、内心ではアクセルを踏んでいる…ジレンマですね。
ストイックな生き様に美学を感じるような自分もいるわけで、
それも決して嫌いでは無いのですが
時折、一人芝居の寂しい道化役者だな…と自嘲してしまうわけです…

何かに深く嵌ってしまうような人を哀れとは思っても、羨ましいと思ったことは、私は無いと思います。 
あ、男と女の関係は別です。狂える人は羨ましい…女は怖いけど

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年齢:知ってどうする?
職業:まとも、だから退屈で
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近況:迎えをまっている。
   出来れば天国から
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