**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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メンバー百景(1ーA)

私には歌舞伎町で仕事をしている友人知人が沢山いる。
年齢も職種も様々だが、麻雀業界の人間が多いのは間違い無い。
古い友人の場合はその前職時代に知り合った者も少なくないのだが
大半は雀荘で出会ってからの付き合いであり、麻雀を介しての交友になる。
彼らはそれぞれの職場、職域で、日夜、麻雀を打ちながら暮らしている。
今、この時刻も…
麻雀打ちの仕事がゼロサムのギャンブルだとすれば、彼らは不条理世界の
過酷な戦場で生き残ってきた、ある意味では優秀な人間だといえるだろう。
日々麻雀を打って生活をしているという意味ではプロとも認めたい。
しかし、戦場に生きる戦士は敵を殲滅してしまえば職を失うことになる。
勝つ事も負ける事も許されない戦士に安住の地は無く、終の住処も在りえない。
麻雀打ちの多くは永遠に戦場を彷徨う傭兵の宿命を背負って生きているのだ。

そんな傭兵雀士の一人に工藤君という現役がいる。
メンバーや裏メンとして歌舞伎町の雀荘を渡り歩いて十年以上になるはずだ。
最近は雀荘では会っていないのだが、メンバーが集うような飲み屋で偶然に
顔を遇わすことがある。歌舞伎町が狭いと感じる一瞬だ。
最近聞いた話ではコマ劇場近辺の雀荘で働いているとのことだった。
私は長い間に出入りした雀荘の数が多過ぎて、彼と初めて出合った場所が
何処の誰の店だったのか、今ではまったく思い出せないのだが…
彼が新人メンバー時代に私に向って言った言葉は記憶に残っている。

「俺、天羽さんの麻雀がわかりません…」

彼が麻雀に夢中でその手の読書好きだということは聞かされていたが
友人の部下という以外に特に存在を意識するようなメンバーでは無かった。
雀歴や職歴も知らなかったし、知りたいとも思わなかった。
だが、彼の方は好奇心が旺盛で私を特別な目で見ていたらしい。
牌捌き…麻雀牌を私ほど自在に操る人間は見たことが無いとか…
それは裏技の為の手練で、私にとっては後遺症のようなものなのだが。
そんな牌捌きをする男の麻雀がどんな麻雀なのか…
彼は立ち番の時は出来る限り私の後方に立って観察を続けていたという。
知っていた。背後で首を傾げている視線を私は何度と無く背中で感じていた。
そして、数ヶ月が過ぎたころ。例によってメンバー達を誘っての酒宴の席で、ほろ酔い加減の工藤君の口から前述のセリフが飛び出したのである。
私も少し酔っていたと思う。グラスを持ったまま話に乗ってしまった。
「解らないって…なにが解らないの?」
「打ち方が変ですよ。おかしいです」
「そう…?」
「そうです。普通じゃ無い。考えられない。有り得ない。メチャクチャ」
「ははは…、そうかも知れないね。でも、麻雀は四人で打つものだから…」
「他の人のは解ります。上手い奴も下手くそも見てれば解ります」
「工藤君、麻雀を外から眺めて解るようなら、
 その人間は一流の上に超が付くと思うよ」
「え…? でも普通わかるでしょう? 上手いか下手かぐらいは…誰でも」
「まあ…ネ、 で、俺は上手いのか下手なのかどっちなんだ?」
「それが解らないんです…」
「ははは… それじゃ、俺は下手なんだよね、きっと…」

私には彼の疑問の種が判っていた。彼の雀歴は決して浅くは無いだろう。
その頃でも、手牌と卓上の展開、捨て牌模様からの判断による打牌選択は
計数感覚で瞬時に割り出せるくらいの能力は身に付けていたと思う。
だから私の打ち筋が納得いかない、理解できないということなのだ。
その夜、彼は酔いに任せて私の不可解な打牌を思い出すままに並べ立て
同席の仲間を巻き込んで解説を加えながら絡み続けた。
いわく、普通なら(つまり彼なら)聴牌、和了していた。振り込まなかった。
何故あんな異常な打牌をしたのか?理由は?その心は?といった類の詰問だ。
しかし私は彼の指摘するそれらの局面をほとんど覚えてはいなかった。
それが私にとっては何の違和感も無い当然の選択だったからだろう。
そう? 覚えてないなぁ…? 忘れたよ… 只の思いつき、気紛れかも… 
麻雀は4人で打つものだからねぇ…一打一打で判断が変わるから…
私の曖昧な応答に苛立ちを見せながら酒を煽り続けていた彼は、やがて…
「天羽さん…この前の国士…あの時は…」
数日前の役満の話… 彼が本当に知りたかった質問を投げ掛けてきた…

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テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

コメント

ギャンブルなんて

どれだけ研究しようが所詮は運任せでしかない事を、そんなに真面目に考える事が出来る人が不思議で仕方ないです。

運が良ければ勝ち、運が悪ければ負ける。
こんな簡単な事をさも難しいように考える必要性が私には理解出来ません。

子皮さま

レスが遅れて済みません<m(__)m>
残暑お見舞い申し上げます。
九州は連続の水害で最悪の年になってるようですね。
雨ニモマケズ、風ニモマケズ、夏ノ暑サニモ…
宮沢さんの心意気で頑張って下さい。
…以外に被害を受けて無いような気もするけど…(^_^;)

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H.N: 天羽 礼
年齢:知ってどうする?
職業:まとも、だから退屈で
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近況:迎えをまっている。
   出来れば天国から
   シースルーの羽衣の
   天女さまを希望…

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