**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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流転の牌譜(5)

俗に言う「小手返し」とは、読んで字のごとく小手先の返し技のことである。
技自体は単純なもので、山から自摸ってきた牌と手牌中の不要牌を
瞬時に入れ替えるだけの行為であり、イカサマと呼ぶようなものではない。

本来は手出しの牌を自摸切りだと錯覚させるための偽装工作の演技なのだ。
手出しの牌で手牌の構成を看破されてしまうような達者への対抗手段だが
他者の手の内など意に介さない僥倖依存型の雀士が相手では意味が無い。
役作りより聴牌速度、手成り棒聴リーチの懸賞期待を是とする麻雀では
無意味な動作であり、手慰みにしかならないだろう。
只、先自摸が横行する場では、ポンが入った時に先自摸していた有効牌を
不要牌とすり替えてズルをすることは可能だが、コソ泥の所業だ…

小手返しに関しては面白い思い出が沢山あるのだが…
その中から展開の記憶が鮮明に残る一局を上梓する。

雀荘は似たような店、似たような客が多いので何処の店かは忘れたが、
多分、中央通りのビルにあった結構広い店だったと思う。
その時は私の後ろで二人のメンバーが観戦していた。
当時の私は小手返しと二枚の牌を指で弾いて鳴らす「鳴子」が癖になっていた。
摸打が速い分、手持ち無沙汰であり、上家が遅いので先自摸もしていた。
その局の私の手牌は三色同順の一向聴で、すでに手役は決まっていた。

456④⑤⑥⑦⑦⑦⑧四六白
sou4m.gifsou5m.gifsou6m.gifpin4m.gifpin5m.gifpin6m.gifpin7m.gifpin7m.gifpin7m.gifpin8m.gifman4m.gifman6m.gifhakum.gif

この牌姿から、摸打の遅い上家を無視しての先自摸を続けていたが、
数巡後に持ってきたのが、忘れもしない最高形となる夢のキー牌、
待望の赤五萬man5redm.gifだった。

私の小手は無意識の一瞬でその牌を三枚目に送り込んでしまっていた。
456④⑤⑥⑦⑦⑦⑧四(赤五)六白
sou4m.gifsou5m.gifsou6m.gifpin4m.gifpin5m.gifpin6m.gifpin7m.gifpin7m.gifpin7m.gifpin8m.gifman4m.gifman5redm.gifman6m.gifhakum.gif

そして、その時、突然下家から一際高音の「ポン!」の声が掛かったのだ。
今、上家が捨てた發hatum.gifに鳴きが入ったのだ。
下家の捨て牌は索子の混一模様だった。
8索sou8m.gifが切り出された。一鳴き聴牌もあり得る。

私は後ろで観ていたメンバー達を振り返って、顔を顰めて苦笑する。
『ツイてねえよなぁ…』と同情を誘うパフォーマンスだった。
彼らも『あ~、かわいそうに…』と目を閉じて天を仰いで応えてくれた。

そして事件は起きた…

私は泣く泣く手牌の中から赤五萬man5redm.gifを抜き出して、山に戻そうとしたのだ。
正直に…手牌の三枚目から…
だが…
「兄ちゃん、それじゃねえだろう…」
対面の客が、しわがれ声でクレームをつけてきた。
確かラーメン屋だったと思うが、柄が悪く陰険で嫌われ者の親父だった。
私は先自摸をしている手前、返答に窮してしまった。
「自摸ったのはこれだけど…」
「そんな中のヤツじゃなく、その端の牌だよ、そいつをよこせよ」
「……」
それは捨てようとしていた白hakum.gifで、私にとっては願っても無いことだが…
私は又、後ろを振り返ってメンバーを窺い見た。
二人とも視線を外して素知らぬ顔をしている。
仕方が無いので、私は赤五萬man5redm.gifを残して手牌の端の白hakum.gifを山に戻した。
親父の態度には少しばかりカチンときたが、それで良いなら好都合だ。

私は親父のお陰でタンピン三色を赤五萬入りで聴牌してしまった…
③⑥⑨筒⑧筒の待ちだが…
まずいことに下家が發hatum.gifを鳴く前、つまり8索sou8m.gifの前に③筒pin3m.gifを捨てている。
自摸番を飛ばされて牌の入れ替えも無いはずの私が聴牌しているということは、
一巡前にも聴牌していて、その③筒を見逃していたということになるのだ。
つまり自分の自摸番を経過しないと出和了はできないことになるのだが…

対面の親父は私が渡した生牌の白hakum.gifを手にして一瞬首を傾げていたが、
hakum.gifは捨てずに手牌の内から⑧筒pin8m.gifを切り出してきた。
私は躊躇しなかった。
「ロン!断ヤオ三色、赤ドラで、マンガンの一枚…」
平然とロンをかけて、堂々と手牌を開いてみせた。
親父は困惑の眼差しで私の手を凝視する。
そして何かを言おうとした時…
「畜生っ!白は何処にあるんだよっ!」
突然下家が手牌を倒し、残りの山を崩して検めだした。

67899中中中白白   副露=發發發
sou6m.gifsou7m.gifsou8m.gifsou9m.gifsou9m.giftyunm.giftyunm.giftyunm.gifhakum.gifhakum.gif    hatum.gifyhatuhatum.gif

9索と白待ちの大三元の聴牌だった。

私をはじめ親父も上家も、しばし無言でその聴牌形を眺めていた。
下家が山を崩し終えたのを見て、
「白はここだよ…」
親父がぼそりと呟いて手牌を倒した…
手牌の端に純白の牌が二枚並んでいた。
「対子だから…出やしねえよ」
私の手から渡った白は親父の手の内で対子になっていたのだ。

ということは、まともな展開であれば白はまだ双方の孤立牌のままで、
時を経ず、私か親父が白で下家の大三元に放銃していたことになる…

不発の役満に悔しがる下家… 
ことの次第、結果の綾に困惑しながら満貫分の点棒とチップを払う親父…
そして、先自摸の小手返しからの意外な結末に胸を撫で下ろす私…

気を取り直し、リセットボタンを押して振り返ると…
後にいたメンバー二人が袖引き合って、一緒にトイレに駆け込むのが見えた。
どこか遠くで腹を捩って笑い合う声が聞こえたような気がしたが…
それは私の気のせいだったかも知れない…


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コメント

ん?

呼ばれたような気がしたのですが…、気のせいかな?(笑)

争いの元になるんで先ヅモはダメですよ。
しかし、ちゃんと遊んでいる様子が伝わりました。
ごまかすとゲームが楽しくないですもんね(^-^)

子皮さま

確かに、昨夜は…
「うっシヒヒヒ…」
と笑っていたような記憶があります。
それが聞こえたのかも…(^_^;)

コホン、え~と、私は人間が出来ていますから、
自分には厳しく他人には寛容で、だから…以下省略…

待つのは特に嫌いではないのですが、待たされるのは嫌いです。
落ちない女は嫌いではないのですが、ジらされるのは嫌いです。
精神的には、やや、早老の感はありますが…
肉体的には、決して早漏では無いと自負しております。
相手にもよりますが、いつも○○分は頑張れます…はい。

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   出来れば天国から
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