**麻雀蒐穂録**

マージャンとはギャンブルとはゲームとは…そしてプロとは…!

遠い昔、歌舞伎町のけもの道を徘徊していた 畏怖るべきアウトロー達との交遊を
途切れた記憶の糸を紡ぎながら回顧録まがいに書き起こそうと思います。

 ※実体験以外に風聞や創作も加味するつもりです。フィクションとしてお読み下さい。

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麻雀の正解(2)

諸般の事情により、新年の挨拶は控えさせていただきます。

少しは落ち着きましたので、前回中断した記事のつづきを…




それは名古屋で雀荘の店長を勤める女流プロのブログへのコメントだった。
普段はリズム感のあるコミカルな文章で明るい笑いを誘っている作者が、
その日は、麻雀に対する自分の無力感や悲壮感を吐露する記事を書いていた。

様々な努力に対して、その成果を返さない麻雀というゲームの理不尽さ、
無情さに打ち拉がれ、疲れ果て、麻雀に嫌忌の念さえ覚えてしまいそうだと
述懐するその記事を読んで、激励のコメントを認めたものだ。
麻雀の不条理性を受け入れることが大事だと、
気負わずに一歩下がって肩の力を抜くように…と、
アドバイスを含めたエールを書き送ったものだったが…

「おまえ、グーとパーのどっちがいい?」

私は圭佑の顔の前で、握った拳を開いて見せながら問いかけた。

「…!? な、なによ?」

ビクッと反応する圭佑に、

「寝惚けているようだから、目を覚ましてやろうと思ってナ」

圭佑は困惑顔で振り返ったが、私が笑っているのを見て安心したらしく、
ホッとした表情でボケを咬ましてきた。

「へへ、どっちも嫌だよ、チョキがいいや…」

「チョキがいい…?」

ジョークやウイットに富んだ会話は嫌いではない。
だが…

昔、ある組織の親分の前で同じボケを披露した機転の利く若者がいた。
無礼講とされた酒宴の席で、その若者は酷く泥酔していたらしいのだが、
親分にその醜態を咎められ、直立不動でグウとパーの選択を迫られた。

「自分は、できればチョキのほうが…」

戯れの返答が、虫の居所が悪かった親分の逆鱗に触れてしまったのだ。

親分には空手の心得があった…



「そうか、チョキがいいのか…」

私は二本の指をスーッと圭佑の眼前に突き出した。

「…!!」

不意の攻撃に思わず目を閉じ、椅子を軋ませて仰け反る圭佑に

「いいか、チョキが一番危険なんだ、だからグーかパーにするんだ…」

昔聞いた台詞をそのままに、脅しつけた。

件の若者は、今では一家持ちの親分になっているという。
見た目には判らないが、左眼の視力は殆ど失っているはずだ。


私は突き出した二本の指を畳んで、親指でディスプレイを示した。

「ほら、目を見開いて、もう一度俺のコメントを読んでみろ」

「……?」

「麻雀の正解なんてどこに書いてある?」

圭佑は素直に椅子を戻して、画面に目を凝らした。

「……麻雀の一局には正解が…」

「そうだ、一局の正解だ、麻雀の正解じゃない」

「一局の正解ってなによ?」

「それは…… 知りたいなら独り麻雀を打つことだ…」

「独り麻雀…?」

「ああ…独りで牌と向き合え、馬鹿でなければ解るだろう…」

圭佑との話はそこで打ち切っていた。

圭佑は麻雀というゲームの「正解」という言葉に魅かれたのだろう。
その後、どう理解し、どう対処していたのかは知る由も無かったが、
麻雀に対する興味を新たにし、S君を誘って卓を囲んでいた可能性がある。
そんな折に、ヤツの口からこのブログの存在が知らされたのだろう。


S君の質問の動機は、前述の私のコメントからでは無いと思われた。
しかし、このブログ内で「麻雀の正解」などと書いた記憶は無い…
少し前に一度だけ「一局の正解」と記した記憶はある。
停滞の二乗の中でのことだ。
多分そのことだろうと推測して確認すると、案の定だった。

「麻雀に、いや麻雀の一局に正解なんか有るのかと思ったもので…」

照れ臭そうに苦笑するS君に、私は諭すように言い添えた。

「正解が有るから麻雀なんだ、無ければ、麻雀にならないだろう」

麻雀の一局の正解とは、乱数によって確定された牌列による必然的結果だ。
壷の中の賽の出目、秘匿された確定事象のことだ。
麻雀の一局はそこに凝縮され、総ての悲喜劇はそこから始まる…

…つづく
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テーマ:麻雀 - ジャンル:ギャンブル

コメント

感想戦をしないプロ気取りのハンチク達への小言ですね(^∧^)

常習犯

HN書き忘れましたm(__)m

子皮 さま

とんでもない誤解です。
このわたくしが正月から「小言」なんて言うわけが無い…!

私は麻雀の感想戦などは奨めませんよ。

麻雀はベースが乱数ですから、
感想戦は囲碁や将棋のようには役に立ちません。
結果に対してのタラレバは反省材料にはならないのです。

牌譜の検証なども一過性の展開を省みることにしかなりません。
特定の相手の手筋や性行を知るためのデータ検証は有効でしょうが、
それを実戦で生かしきれるかといえば、これも大いに疑問です。

麻雀の進行の体勢は深謀遠慮の思考の選択というよりは、
リアルタイムの状況判断による決断の選択ですから…

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   出来れば天国から
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